【さんまに塩を、2回に分けてふるのはなぜ?】さんまの塩焼きのコツvol.2
前回は「さんまの塩焼き」を絶妙な塩加減で焼く手順をお伝えしました。
早速作って、お写真を送ってくれた読者さまもいて、大感激!

「普段は買ってきたさんまに塩をふって、すぐ焼いていたけど、なんでこうするんだろう?」
と思われた方もいらっしゃると思います。
今日はその理由をお話ししますね。
――手順のおさらい――
(詳細は前回の投稿をどうぞ)
【さんまの塩焼きをおいしく作るコツvol.1
1.さんまの塩の量
<4尾分>
粗塩 小さじ1/2
焼塩 小さじ1/2
<2尾分>
粗塩 小さじ1/4
焼塩 小さじ1/4
2.さんまを水で洗い、ペーパーで水気をふく。
(頭、内臓はつけたまま)
3.粗塩を手でまぶす。
4.15分おく。
5.表面の水分をペーパーでふく。
6.焼塩をふり、すぐ焼く。
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◆なぜ塩を2回に分けるの?
前回もお伝えしたように、ネットで調べると
「塩をしてすぐ焼く」派と
「塩をして15~20分ほどおく」派に
大きく分かれると思うんですよね。
私は「どちらにも意味がある」と思って、両方を取り入れています。
―――
◎まず「15~20分おく」説。

日本料理の基本では「魚に塩をして、20分ほどおく」
これがセオリーです。
塩をすると浸透圧で水分が出て、
その水分に魚のくさみ成分が溶け出します。

つまり「くさみを抜く」ための時間なのです。
ただし!長く置きすぎると身がかたくなり、塩味が強くなって「塩さんま」に…。
だからこそ、15~20分くらいがおすすめ。
―――
◎次に「すぐ焼く」説。
こちらは「くさみなんてそもそもない、鮮度抜群の魚だからすぐ焼いてよし!」という考え方。
市場で仕入れたピカピカのさんまや、刺身用なら、
塩をしてすぐ焼いて、水分も出さずに、ジューシーに仕上げるのは最高です。
しかも、塩が溶ける前に焼くと、表面に白い塩の結晶がよく浮き出ますよね。
あのカリッとした塩の粒感、たまりません。
(写真をじーっと見て!)

ただ…スーパーで買ったさんまだと、くさみを少し感じてしまうことも。
それで、日常、スーパーでさんまを買う
私自身はどうしているかというと、
① まず塩をして15分おいて、くさみを抜き、ほどよく塩味をなじませる。
② 出てきた水分はくさみがあるし、
次にふった塩が溶けないように、
水分をペーパーでしっかりふき取る。
③ 仕上げにもう一度塩を両面にふって、皮をパリッと焼き上げる。
この“2段階塩”で、スーパーのさんまでも「絶妙な塩加減のおいしさ♡」が狙えます。
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次回は、さらに突っ込んで
【粗塩と焼塩を使い分けるのはなぜ?】
をお話ししますね。
どうぞお楽しみに!
<レシピのいらない料理術>主宰
調理科学 評論家
木村 万紀子





