【春雨サラダは、日本の春雨?中国の春雨?どちらを選ぶ?】
前回は「春雨サラダは、作り立てを食べるべし!翌日になったら、かたくボソボソになってしまいますよ」という話でした。
本日は、春雨には
・日本の春雨
・中国の緑豆春雨
の2種がありますが、
「春雨サラダに適する春雨はどっち?」
について考えていきましょう。
最初に結論
↓
その後になぜならば
の順に、お話ししていきますね。
★結論★
ネットでは、翌日もおいしく食べようと思うならば「緑豆春雨」のほうがよいと書かれている記事が目立ちますが、
私は出来たては、断然
「春雨サラダは、日本の春雨がおいしいと思います」
ゆでるともちもちして、やわらかいから。
表面が少し溶け出すようなべたべた感があるのですが、
溶け出す=表面が少し崩れる
わけですから、
調味料がしみこみやすく、味がよくのるのです。
翌日はそのもちもち感がなくなるのは残念ですが、
緑豆春雨だと、私にとっては、出来たてのときからそもそもちょっとかたいので、
翌日の落差が日本の春雨より少ないんじゃないかと言われたところで、
やっぱ、「ちゅるんと感」がある
日本の春雨に一票!
と思うわけです。
日本の春雨と中国の緑豆春雨
「成分でいうと、何が違って、この食感になっているの?」を
なるべく例を交えながら、お伝えしていきますね。
この連載1回目に、
麻婆春雨など、春雨を煮込むときには、
日本の春雨を使うと
溶けてしまいますよ
という話をしました。
これは、<製法>と<原料>の違いによるものです。
まずは、原料に視点をおいて話していきましょう。
●日本の春雨=ばれいしょ・さつまいもでんぷん
●中国の春雨=緑豆でんぷん
でできています。
☆日本の春雨のパッケージ
☆中国の春雨のパッケージ
これは原料の植物の違いですが、
そのでんぷんそのものは、
アミロース、アミロペクチンという2種類の成分で構成されていて、
それが植物ごとに、どのくらい含まれているかが変わります。
その性質はお米に例えるとわかりやすいかも。
・・・例・・・
もち米って粘りがあってやわらかいですよね。
もち米=アミロペクチン100% です。
私たちが普段食べているご飯のうるち米は
うるち米=アミロペクチン約80%、アミロース約20% です。
もち米は、粘りがあってべた~っとしていて、やわらかい。
うるち米は、もち米よりも粘りもやわらかさを抑えられていますよね。
そして、タイのお米などのインディカ米は、
アミロースの割合が約30%。
そうなると、パサパサしていて、スプーンですくって食べる感じですよね。
つまり、アミロースの割合が増えるほど、もちもち感が軽減します。
・・・・・・・
中国の春雨の緑豆デンプンは、
日本の春雨のばれいしょ・さつまいもデンプンよりも、
アミロースが10%多いという特徴があります。
だから、日本の春雨のほうが、
もちもちして、粘りがあります。
次に、春雨の製法から考えてみます。
春雨は、
でんぷんと水を合わせて、
ゆでて麺状にしてから、
一度冷凍し、その後乾燥して製造されています。
中国の緑豆春雨が、
煮込んでも煮崩れにくいのは、
デンプンのうち、
アミロースが凍結して低温になることで老化してかたくなり
煮たときに、デンプン全体が溶け出すのを妨げるような組織を表面に形成するからなのです。
(あ、解説がオタクになりかけましたね(笑))
ちょっとサイエンスが専門的でしたが、
煮込みではそれがよくても、
春雨サラダにしたときには、
味なじみがよくなくて、
食感がかみごたえあるようなかたい感じが強くなる原因にもなります。
日本の春雨が
煮溶けやすいという特徴は、
日本の春雨の欠点のように言われていますが、
料理を「春雨サラダ」と限定すると、
表面が溶けて崩れるからこそ
味がしみこみやすいという
その欠点が利点に変わると私は考えています。
料理によって、春雨を使い分けていきましょう。