【もち・ふわ・しっとりのパンは、どこに売っているの?】パンのトレンドとおいしさの科学vol.3

連載<パンのトレンドとおいしさの科学vol.3>


vol.2では
「ふわふわ・もちもち・しっとり」のパンは

●湯種製法=もちもち

にさらに

●高加水製法=しっとり

が加わったときに

とんでもなく、「もち・ふわ・しっとり」の食感になるお話しをしました。


今まで、パンで食べたことがない

もっちり、しっとりの質感に

びっくりされる方も多いと思います。


●vol.2のバックナンバー
 ↓ ↓
https://science-cooking.com/?p=6938


☆ ☆ ☆

そもそも「湯種」って何モノ?

とイメージできませんよね。


パンの基本材料は

強力粉、イースト、塩、水。

これを混ぜ合わせて、こねて生地にします。


<湯種>というのは
その強力粉の一部を少しとって、
なんと熱湯を加えてこねます。

パンに熱湯ですか⁉


(湯種を作ってみたよ)


混ぜた直後は、ぼそぼそしているのですが

一晩経つと、餅のように粘るのです。

 

でんぷんが
「糊化」しているのです。


残りの生地で、ふつうに生地をこねるときに

この粘りのある<湯種>を入れると

「もちもち」して、小麦の甘味が出たパンになるのです!!


すごいぞ、湯種!!


日本人の研究心に脱帽です。


 ☆ ☆ ☆

では、今日の本題。

こんなに<湯種>の話をしていて

みんな「うちの近くに売ってるの?」

と思うかもしれません。

スーパーで、このパンを見たことありますか?

●敷島製パン(Pasco)
「超熟」

●山崎製パン(ヤマザキ)
「超芳醇」

です。

 

この2つのパッケージのどこにも
<湯種製法>
とは書いていません。

 

「超熟」は<超熟製法>
と書いてあって
これは特許を取得しているから。


「超芳醇」は<湯捏(ごね)製法>
と書かれています。


こういった情報を知らないと
これらが<湯種>で作られていることは、考えが及ばないかもね。



スーパーで、なんとなくその日に安くなっている食パンを買ってしまいがちじゃない?

明日から、この2つのパンの銘柄を意識してみてください。


ちょっとした違いかもしれないけれど

スーパーの食パンの中でも
お気に入りができるかもしれないですよ。


そして、湯種でなくても、

もちもち・ふわふわを狙っている商品が多いことにも気づくでしょう。


毎朝食べるパンが、

「あれ?いつもよりも、ちょっとおいしい♡」

って思えるのは、

小さいシアワセを見つけちゃったってこと♪


 ☆ ☆ ☆

前回のLINE公式で紹介した

東京の

●Dough-ist




●ジュウニブンベーカリーは


<湯種製法×高加水製法>

と2つかけ合わせてあって


断面を見ただけで、スーパーに売られている袋パンとは違うなって感じ。

パンのもちもち、しっとり加減が、ここまで来るか~!って感じ。


そのタイプは、街のパン屋さんで出会えるかもしれませんが


残念ながら、スーパーの袋パンには

<高加水製法>が、今のところないのです。


理由は、生地がかなりでろ~んとして
工場の大量生産のミキサーでは、からみついて扱いにくいから。

 

敷島製パンに問い合わせしたところ


<高加水製法>の技術は確立している、

でも今は、業務用の冷凍パン生地にしか使っていないそうです。

 

早く量産されるようになって
スーパーで売られるようになったらいいですね。


☆ ☆ ☆

街のパン屋さんで、
<湯種製法>のものを買ってみたいなと思った方は


ネット検索するときに

「湯種 パン 大阪」

のように、

最後に地名を入れてみて!

すると、湯種をうたっているパン屋さんに出会えるよ。

 


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