【最初に買う1本は、片刃包丁、両刃包丁のどっち?】包丁特集vol.4

前回(こちらをクリックすると読めます)のお話しで、

片刃の包丁は、
大根1本をザクッと切り落とすときに、

コツを知らずに切ると、

刃がついていない左の方向に刃が逃げて行って(流れていって)

斜めに切れてしまう。

だから、意識的に包丁が左に流れないように、

包丁を下に押しながらも、
右にも押すようにぐぐっと力をかけて

切るようにします。

とお話ししました。

 

では・・・

両刃の包丁で切るとどうなる?

 

こんなこと、ま~ったく気にしなくてもいいのです。

 

両刃は左右対称に刃がついているから、

上から下に切り落とすときに、
何も意識せずとも、ストンとまっすぐに切れるのです。




だから、私は、

まず、1本目の包丁を買うとか、
メインの包丁を買い直すというときには、

両刃を買うのがストレスがないのでお勧めします。



両刃=洋包丁

ですよね。

ここは、日本ですが、みなさん和包丁ではなく、洋包丁を買いましょうね~

という話ではありません。

日本に肉の文化が入ってきた明治時代に、

洋包丁の両刃という概念もやってきました。

そのときに、

それまで和包丁=片刃だったのですが、
両刃の和包丁も生まれました。



それが、このカタログに載っている


三徳包丁(文化包丁)

です。

万能包丁と言われています。

和食の片刃の包丁は、作業用として、

野菜を切るもの、魚をおろすものと分かれていますが、

 

肉でも魚でも、野菜でも切れるよ~

っていうのが、この三徳包丁です。

家庭ではまずこれが1本あると、
それなりにこなせます。


私が片刃の和包丁をおすすめするとしたら、
3本目に持つ包丁として、ですね。

 

片刃の和包丁は、作業用包丁として、欲しい一本

 

大根を輪切りにするときが難しいという
欠点のようにも聞こえる話を最初にしましたが、

刃の特性が、そんな風に刃がついていないほうに流れるからこそ、

上手に魚がおろせます。

 

3本目におすすめしたいのは、

「出刃包丁」です。

 

魚の三枚おろしをするときに、

中骨の上に包丁を寝かせるようにして刺し入れて
中骨に沿って身を削いでいきます。

(『料理をおいしくする包丁の使い方』(ナツメ社)2001年初版、p202より→私が撮影に立ち会ってすべて文章をまとめた本です)



包丁の中骨に当たるのは、
片刃の刃がついている側。

だから、中骨の上に沿うようにと
しっかり包丁を押し当てて包丁で切り進めても、

中骨の上をうまくすべってスムーズに包丁が動き、
きれいに身がおろせます。


 

 

両刃の包丁で魚の三枚おろしをするとどうなる?

 

中骨の上を包丁をすべらせようとしても、

刃がまっすぐに進むので、
ちょいちょい骨のでこぼこに食い込むように当たって
グッと止まってしまうのです。

そのたびに、包丁を右に戻して同じところを切り直すので、

初心者の場合は、
おろした身がボロボロになりやすいですし、

包丁が骨に当たって止まるのがいらっとします。

また、
骨に当たらないように意識すると、
身がごっそりと中骨に残ってしまい、

おろした身が薄くなってしまったりしますね。



和食の料理人や日本人を除いては、
両刃で魚をおろしているわけですから
慣れたら両刃でだってできますよ。

でもね、

日本人の場合は、おろすのに向いている、
片刃の出刃包丁が身近にあるのですから、

わざわざ両刃の包丁でおろさなくても、
もっとうまくおろせる包丁が
すぐそこにあるよ♪って、おすすめしたいですね。

魚をおろしたり、ぶつ切りしたりするときしか使わない

作業用の包丁だから、

3本目くらいに持つといいかなと思います。


「私は魚は切り身を買ってくるのでおろさないです」という人には?



そういう方が多いと思いますが、
それでも、おすすめしたい理由があります。

 

鶏もも肉1枚を、一口大に切り分けるときに、
切れない包丁で、ギコギコ前後に動かしながら、

力を入れて切っている人はいませんか?



出刃包丁で切り分けたら、

スーッと包丁が入って、こんなにストレスなく切れるの?

ってびっくりしますよ。

 

つづく・・・・

 

さて、次回は、


「包丁の素材は何がいいの?」

というお話です。お楽しみに♡

 

 

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