【さっき味見したときにはおいしかったのに】
料理ができて味見した時点では、
バッチリ味がきまっていたのに、
1時間後、食卓でそれを食べると、
『あれ?味が薄くなって、ぼやけている』
これでガッカリした
ご経験はありませんか?
煮物ではこういうことは、起こりません。
多くは「和え物」でしょう。
和食だけではありませんよ。
韓国料理のナムル、
西洋料理で、ドレッシングを最初になじませるサラダも同じことが起こります。
生野菜でも起こりますし、
「和え物」はゆでた野菜が多く、
ゆでることで水っぽくなった野菜も
また味が薄まる原因になります。
ゆでた野菜
↓
水気を絞る
↓
調味料で和える
このときに、ゆでた野菜を
どんなにぎゅ~っと絞っても、
塩分濃度が高い調味料で和えると、
野菜の中から水が出てきて、
まわりの調味料が薄まるのです。
だから、
和え物に味つけするタイミングは、
食卓に出す直前がベストです。
野菜と和え衣を用意までして、
食べる直前まで
和えずにおいておくのです。
そして、配膳前に和える。
前もって、
作っておきたいときもありますよね?
また、家族の夜ご飯が、
18時と22時にわかれることもあるでしょう。
食べるまで時間があくときには、
味が薄くなることを見越して、
少し濃いめに味つけするといいですよね。
(写真はほうれん草の白和えです)
「お弁当」になると、
食べるのは約5~6時間後ですから、必ず塩分を濃くします。
そうなると、起こることが・・・
塩分が濃いから、
和え物からより水分が流出して、
「汁もれを起こしやすい!」ということなのです。
汁もれを防ぎつつ、
おいしく食べられる味にするには?
というのを、今日はお話ししますね。
本日のお弁当には、
「もやし、きゅうり、にんじん、ゆずの和え物」を入れました。
薄口しょうゆとだしをベースにした味つけに、
ごま油がアクセント。
ゆでたもやしは特に、
水分が出やすい野菜の代表。
だから、こんな風にしています。
①ゆでたもやしとにんじんの水気をしっかり絞る。
きゅうりを混ぜる。
②しょうゆとだしベースの調味料で、濃いめに味つけする。
③10分もしないうちに、野菜から水分がかなり流出してくる。
④もう一度、野菜をぎゅ~っと絞って汁気をきる。
⑤最後にごま油を混ぜる。
つまり、濃いめに味つけして、
すぐにお弁当に詰めると、
水分流出事故が起こるので、
ボウルの中で
一旦水気を出し切ってしまうのです。
そして、また絞ってから、入れるとOK!
絞ってもなお、
おいしいと思う塩分濃度にしておくのです。
ここで、初めからごま油を混ぜないのは、
ごま油は野菜から水分が出る原因にはならないからです。
最初からごま油を入れていると、
2回目に④で絞るときに、
ごま油が流れ出てしまいますし、
絞った手がべたべたになってしまうのです(これ嫌だ~)。
お弁当に限らず、普段の和え物でも、この方法を取り入れて
味ブレを防ぐことができますよ。
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