【ドーナッツが油っぽくなってしまうのは●●●の違い】

「ドーナッツを手作りすると、翌日には油がまわって油っぽくて・・・。揚げ立てと全然違うんです。」

というお悩みが寄せられました。

ミ〇タードーナツのドーナツは、
箱に入れて持ち帰って、そのまま翌日まで置いてしまったとしても、

紙の箱が、ドーナッツからしみだした油でベタベタになることはありませんよね。

ミスド290p.jpg

何が違うのでしょうか?

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おはようございます。

サイエンスクッキング プロデューサー
木村万紀子です。

今日もご開封いただけてうれしいです。

さて、試しに、
このお悩みをネットで検索してみました。

 

「キャノーラ油を使うとカラッと揚がる」とか、
なたね油がいいよなどと書かれていますが、

どれも的確な答えとは言えません。

市販のドーナッツは、
みなさんがいつもお使いのような
液状の油では揚げていません。

業務用の

「ドーナッツオイル」を使います。

フライ用のショートニングですね。

それは常温では、白い固形の脂です。

ショートニング.jpg

フライヤー(揚げ鍋)に入れて熱すると
溶けて液状になって、

いつもみなさんがお使いの油と同じように揚げることができます。

何が違うのか?

冷めたときに、差が出ます。

冷めて常温になると、また固体に戻るのです。

 

オールドファッション.jpg

つまり、ドーナッツが吸収した油が
ドーナッツの表面で固まります。

だから、
ドーナッツを紙の上に置いても
表面から油がしみ出さないのです。

ドーナッツをかんだときにも、
油が固まっているから
サクサクと感じやすい
というメリットもあります。

家庭で液状の油で揚げると、

揚げて冷めてからも
油が液状ですから、

揚げてから時間が経つと、
生地がベタベタに感じてしまったり、

生地の表面から内部まで
液状の油がしみ込んで、
油が回ったように感じてしまうのです。

では、どうしたらいいのか?

ドーナッツ油は業務用なので、
なかなか手に入りません。

 

とにかく、家庭では、
「揚げ立てにこだわる」

ここが大事です。

お店では、揚げ立てのホカホカを常に提供するというドーナッツ屋さんは、やりたくってもなかなかできません。

だから、冷めてもおいしいものを提供しなければならないのです。

目の前にいる、
このドーナッツを食べてくれる人を喜ばせるときに、
家庭と店では、視点が違うのです。

アツアツをやけどしそうになりながら頬張れるのは、
家で作る醍醐味です。

ちょっと考え方を変えてみませんか。

翌日に油が回ってしまって悩むのではななく、

家族みんなが揃っているときに、

「今から揚げるよ~!」と声をかけて、

アツアツを頬張ってもらう、
このパフォーマンスが大事なのです。

みんなの笑顔で、
頑張って作ったかいがあったな~と思いますよ。

ドーナツイメージ290p.jpg

うちの主人は、たま~に、
「久しぶりに、うちのドーナッツが食べたいなぁ」と言うんです。

子供でなく、主人がですよ!?

おうちで作るドーナッツの、
ちょっとノスタルジックなお味に、
心をぐいっとつかまれているんですよね。

手作りは、相手の心に語りかけるおいしさがあります。

私が、料理を伝えることを志事にしているのは、

みなさんにそれを知って、感じてもらって、
シアワセだなぁと
作る喜びをかみしめてもらいたいからです。

料理は食べたら
目の前から消えてなくなります。

でも、そこに込められた温かい想いは、
心に刻まれているのですよ♡

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