【あなたの包丁に合った刻み方がある】包丁特集vol.6

包丁の動かし方が、日本料理と西洋料理では、全然違うことをご存じですか?

たとえば、日本料理で野菜を刻むときには、この動き。

【突き切り】

  (和包丁の薄刃包丁を使って)

 

『料理をおいしくする包丁の使い方』(ナツメ社、2001年初版)p15より抜粋(私が20代に調理師学校に務めていたときに書いた本です♪おススメです。)

 

①包丁を前に突いて切り、

②包丁がまな板についたら、

③元の位置にすっと引いて戻す。

これを繰り返します。


みなさん、薄切りにしたものを重ねて、細切りにするときに、こんな風に包丁を動かしていますか?

いやいや、私はこんな切り方はしていないという方は、

 

西洋料理の切り方をしているかもしれません。

 

【押し切り】

   (洋包丁の牛刀を使って) 

(私の手書きで見づらいですが・・・)

牛刀は、刃先が刃元から切っ先まで、カーブしています。

そのカーブに沿って、包丁がまな板に当たるように

①包丁を引きながら刃元を上げてから
(切っ先がまな板につく)

②刃元をおろしながら前に押し出すように切る。
(切っ先は浮いて、刃元がまな板につく)

 

 

日本・西洋の切り方を比較してみると

 

日本料理の野菜を切る薄刃包丁で、しなやかに押し切りはできないし、

西洋料理の牛刀やペティナイフで突き切りするのも難しい。

 

それは、包丁の刃の形に合った切り方があるからです。

 

自分の包丁を観察してみよう!

 

みなさん、切る時に、自分の包丁の刃先が、
まな板にどのくらい当たっているか見てみてください。



上の包丁は、和包丁の「薄刃包丁」で、
まな板にビターッと刃先が刃元~切っ先まで当たります。


突き切りは、包丁の下記の青線部分で切るので、

 

イラストの切り方を見て
「私は、刻むときには、突き切りをしているな」

と思った方は、少なくとも、刃先の青線部分が、
まな板に当たる形状の包丁を選ぶといいでしょう。

 

というのも、洋包丁の「牛刀」は、
刃先がカーブしているからです。

このカーブを使って、効率よく包丁を動かします。


押し切りといって、みんながピンときやすいのは、

玉ねぎのみじん切り。


最後にもっと細かくしたいなというときに、

包丁の先の峰を左手で押さえて、そこを支点にして位置を変えず、

右手で包丁の柄を上下に動かしながら、
刃元を左右にずらして切っていきませんか?



(文章で書くと表現が難しいけれど、みじん切りでよくやるアレです)


それは、刃先が弓なりにカーブしているからこそ、
できる動かし方ですよね。


 

同じことを、和包丁の野菜専用包丁である「薄刃包丁」でやろうとしても、

刃がまっすぐで、包丁の刃元から切っ先までしっかりついているから、
リズミカルにその動きができないのです。

 



逆もしかり。

洋包丁で、大根の薄切りを重ねて、細切りにしようと突き切りしても、

包丁のこのあたりが、まな板にピタっとくっつきませんよね??


刃のカーブがきついと、細切りしたつもりが・・・

つながって切れていない~

なんてことになってしまいます。

 

だから、1本目には、三徳包丁をおすすめします


和食は、包丁とともに発展してきたから、
おそらく、日本人は、突き切りで切っている人のほうが多いと思うのですよね。

私が、包丁でおすすめしているのが「三徳包丁」なのは、

薄刃包丁 と 牛刀 の2つのいいとこどりをしているからです。


薄刃包丁ほど刃がまっすぐではなく、
ゆるくカーブしていて、

薄刃包丁で刻むときに使う刃の領域は、ほぼまな板に接しているのです。


現代の、私たちは、
きんぴらも作れば、ハンバーグだって作る。

1本で、それなりに、いろんなことがしやすいのです。



三徳包丁の中でも、何を選ぶか?

 

和包丁寄りの三徳もあれば、

洋包丁寄りの三徳もあります。

 

どちらも商品名は「三徳包丁」ですが

つまり、刃先のカーブがほとんどないもの(上)と

カーブがゆるくついているもの(下)があります。

 

この包丁で、何を切りたいのか、どんな料理を作りたいのか、
で決めていきます。

そして
vol.5 でお話したように、鋼がいいのか、ステンレスがいいのか

を合わせて考えていくと、バッチリですね。


家に他にどんな包丁があるのか、

そこから考えて、次に買うべき1本を決めていきます。



たとえば、家に、カーブがきつめのステンレスの包丁があって
メインに使っていたとしたら、


野菜を刻むのに
鋼のよく切れる和包丁寄りの三徳包丁を買ってみて、

使い分けてみようかな、とかね。



 

さいごに

 

今日まで包丁のお話しに、お付き合いくださり、ありがとうございます。

話しだしたら止まらなくなり、
簡単に、わかりやすくまとめるのが難しいというほど、

包丁って奥深い。

一生役立つ知識だと思います。

 

この基礎知識を持って、包丁を見に行くと、
すっごく包丁のことがわかって、見える世界が変わりますよ!

 

今回は専門的な内容も含まれていたので、

今はこの知識が必要ではない方にとっては、

スッと頭に入っていかない内容もあったと思います。

 

きっとまた買い替え時期がきますから、
また、この情報が必要になったときに、読み返してみてください。

 

また、家にある包丁の特性がよくわかったので、

もっと大事に使いたい

そういう気持ちが芽生えた方もいらっしゃると思います。

シャープナーで研いでもイマイチ切れが悪いという場合は、

一度、包丁研ぎの専門店に出すことをおすすめします。

といっても、店舗に行くのって、探すところから面倒ですよね。
ハードルがめっちゃくちゃ高い。。。。

 

包丁を郵送で、研ぎに出せる!



今は便利な世の中で、

レターパックで自宅の包丁を送って、

1本1,000円くらいでといでくれるお店がいくつもあるのですよ。

ネットで検索してみてください。

昔よりも気軽に、包丁をとぎに出せるのですよ!画期的!


スパッとよく切れる包丁って、快感♡

料理がそれだけで楽しくなりますよ♪

 

 

 

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