【お悩み:ゆでたポテトを輪切りにすると割れてしまって】
レシピ本にはそこまで書かれていない
じゃがいもの下ごしらえ
について、連載します。
本日は、
「外食でサラダを注文したら、
ゆでたじゃがいもの輪切りが
きれいに並べて盛り付けてあって。
うちで同じようにしても、
じゃがいもが崩れます。
何でこんな風になってしまうのでしょう?」
・・・・・・・・・・
おはようございます。
サイエンスクッキング プロデューサー
木村万紀子です。
先週末は、東京のマスター講座
最終回でした。
私の講座では、作った料理を小分けにして、
必ず持ち帰ってもらいます。
料理教室から帰った夜は、
今日はこんな料理を作ったのよと
じゃ~んと並べて
ビュッフェにして欲しいから。
中華は2人1組でガンガン作るので、
持ち帰りもたくさん。
写真はまだ半分で、この後5品作っています。
するとね、
翌日、I.Mさんからうれしいメッセージが。
▽ ▽ ▽
全9品の作った料理を
「好きなのどーれ?」
まず主人が
「え?え?
え?これからは、
これ全部作れるってこと?え?」
そして、今朝起床して、
中華鍋を注文している自分・・・
どうしても欲しくなっちゃいました。
△ △ △
Mさんは、それまでは
毎日の料理が苦痛で、苦痛で。
ご主人から、
そんなに料理が負担だったら、
外注する日があってもいいよ
と気遣われたほど。
だからこそ、
ご主人の言葉、表情が、
飛び込んだ7月から、
たった2カ月。
「本当に嫌いだったのですか?」
と聞き返したいほど、
レストランみたいな料理が
さらっと作れるオンナに!!
もうね、Mさんから
ワクワクが伝わってくるの~
・・・・・・・・・・
さて、こういう料理を
実習で教えることができても、
実習で出てこない、
料理のことは、教えられないじゃないですか?
だからね、講座生のみなさんには、
どんな質問をいつしてもいいですよ!
とお伝えしています。
そう!毎日、みなさん、素朴なハテナを
答えは、すごく簡単だったりするのです。
では、今日の質問にお答えしていきましょう。
<どんなじゃがいもを使いますか?>
じゃがいもはだんしゃくとメークインが一般的ですが、
このサラダで使うのはメークイン。
(メークイン)
だんしゃくはポテトサラダには向きますが、
今回のように輪切りにするには、適しません。
(だんしゃく)
だんしゃくはゆでると粉質で、
ホクホクして、口の中でほろっと崩れます。
ポテトサラダでは、だんしゃくのほうが
食感が合います。
しかし、今回のように、
ゆでて輪切りにしたいときに
だんしゃくをチョイスすると、
崩れやすい!
しかも、球状だから、
切った大きさがまちまち。
一方、メークインは粘質で、
ねちっとして、煮崩れしにくいのが特徴です。
だから、切ったときに
崩れにくいし、
断面がつるっとして美しい。
見栄えがするのです。
<ゆでたてを切っていませんか?>
たとえメークインだって、ゆでたてを切ると
こうして崩れます。
(ここからは私の専門のサイエンスが
ちょこっと入ってきますよ。)
じゃがいもは、たくさんの細胞が
ホテルの小部屋みたいに
ずら~っと並んでいます。
小学校のときに、
玉ねぎの細胞を顕微鏡で見ませんでした?
あのイメージね。
隣り合う細胞は、
ペクチン質という接着剤でつながれています。
その接着剤が
やわらかくなっている状態なのです。
だから、切ったときに
細胞がバラバラになりやすい。
それで、組織全体が崩れるのです。
1個丸ごとゆでて、
竹串をさしてす~っと通るようになったら、
冷蔵庫でしっかりと冷やします。
ゆでたときにゆるんでいた
細胞をつなぐ接着剤が、
冷蔵庫で冷えると、かたまります。
そうなると、切ったくらいで
崩れることはありません。
しっかり冷やしてから切ればよい
こういうことは、
レシピ本に書いていないのですよ。
「書くほどのことではない」
のでしょうが、
作る方にとっては
「そこが知りたい!」
ですよね。
次回からは、じゃがいも特集で
いろんな事例を挙げて
お話ししていきますね。
・・・・予告・・・・
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まずは、つぶやきのような予告から。