【〇〇がまさか青緑色になるなんて!?】
この写真を見てください。
みじん切りにした〇〇が青緑色になっています。
普段みなさんが口にしている食べ物ですよ。
さて、何でしょう?
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みなさん、こんばんは。
サイエンスクッキング プロデューサー
木村万紀子です。
答えは、なんと
ニンニク!!
先日の中華の本講座で、
おろしニンニクを使ったときに、
おろした瞬間は白かったのに、
残りを放置しておくとこんな青緑色になって
ぎょっ!!
みんな、どうして~??
見たことがないという方がほとんどでしょうが、
私は何度も経験しています。
一度経験した人は、
何度もこの青緑色に遭遇することになるのですよ。
それはなぜか?
1個のにんにくのうち、
ひとかけらでこの現象が起これば、
そのにんにくを使うたびに、
また同じようになるからです。
とはいえ、
スライスしたときにはなりません。
きまっておろした時か、
細かくみじん切りにした時なのです。
私は、以前そのメカニズムを調べたことがあったので、
落ち着きはらって、
なぜ青緑色になるのか説明できましたが、
もし、初めてこのにんにくの変色に遭遇したら、
相当引きますよ。。。。
●ニンニクが青緑色になるメカニズム
ニンニクに含まれるにおいの成分
アリインに酵素が作用して、
アルキドサルファイド化合物に変化します。
それがニンニクに含まれる鉄分と反応して、
青緑色に変色するためです。
う~ん、
きっと聞いてもピンと来ないですよね。
要は、
ニンニクのにおいのもとになる成分に、
酵素が反応することがきっかけで起こります。
この成分も酵素も、
ニンニクの細胞内に含まれていて、
丸のままの細胞が保たれているときには反応しません。
その細胞がひとたび壊れると、
酵素反応が進み出します。
薄切りするより、みじん切り、それよりもおろすと、細胞はズタズタに壊れます。
それで、スライスでは変色しなくて、
みじん切りやおろしたものは変色するのです。
リンゴも、切るより、おろしたほうが変色しやすいですよね。
同じことです。
●変色しても食べられるの?
食べられますよ。
でも、私はどうしても食べる気になりません。
それほど、ショッキングな色なのです。
●変色が起こりやすい時期
収穫直後や、
発芽しかかっていて、酵素が活性化しているときに起こりやすいようです。
5月中旬から6月にかけては、
新ニンニクの季節。
もしかしたら、みなさんもこの色のマジックに遭遇するかも?