【わかめの入れ方ひとつで、みそ汁とは違うわかめに】
「牛肉とわかめのスープ」で、
料理のなぜ?を考えてみよう。
みなさんの考えた作り方と、
どこが同じで、何が違うか?
料理の作り方は、
正解は一つではないことが多い。
ただ、私は、どんな効果を狙って、
そういう調理操作をしているか。
・・・・・・・・・・
こんばんは。
サイエンスクッキング プロデューサー
木村万紀子です。
今日は、このスープを完成させましょう。
<材料>
牛バラ肉
しょうが
ねぎ
わかめ
白いりごま
鶏ガラスープの素
黄金比率の調味料、塩
油、ごま油
<作り方>
①鍋に油を熱して、
下味をつけた牛バラ肉、
しょうが(細切り)、ねぎ(小口切り)を炒める。
⇒まず、こうやってレシピに書いてあったら
油をしいた鍋に、
何から投入しますか?
高温になったところに、
しょうがやねぎを最初に入れると、
それだけでこげやすい。
そこで瞬時にこげてしまわなくても、
牛肉が炒め上がるころには、
こげてしまう可能性が・・・。
肉を入れて、こんな色になってから
しょうがとねぎを入れて、
炒めてみてください。
炒めることでいい香りが引き出せます。
②水を入れて沸騰させる。
⇒熱湯ではなく、水から入れることで、
肉のうまみをスープに出すことができます。
⇒この後は、アクが出てくるので
取ってくださいね。
スープが濁ってしまいます。
③鶏ガラスープの素、黄金比率の調味料、塩
で味つけし、しばらく煮る。
⇒黄金比率の調味料には、
酒が入っています。
酒のアルコールで、肉のくさみを取ることができます。
④その間に、フライパンにごま油を熱して、
わかめ、白ねぎ(小口切り)をさっと炒める。
仕上げに、このわかめ、白ごまを入れる。
⇒ここが、みなさんと私で
もしかすると
考え方が違う部分かもしれません。
わかめをみそ汁みたいに、
そのまま入れて煮込むと考えませんでしたか。
それでも、おいしいのですし、
そのように作るスープもありますが、
牛肉とわかめのスープでは、
ごま油で炒めて、油のベールをまとった
わかめにすると、
コクとうまみがプラスできる。
しかも、わかめの海藻くささが出にくいのです。
新物のわかめを、さっと炒めて
仕上げに入れることによって、
わかめのシャキシャキと歯ごたえも
楽しめます。
わかめをやわらかくズルズルにしない。
それが狙いです!
⇒牛肉と炒めたねぎは、
香味野菜としての香り出しのため。
こちらは、具としてのねぎです。
最初のねぎはクタクタになっているので、
こちらはシャキッと感を残してもいいですね。
・・・・・・・・・・
ざっとこんな感じです。
わかめをそのまま使うと、
あっさりめに仕上がりますね。
慣れ親しんだわかめスープになるでしょう。
「あれ?いつもと違って、
なんだかおいしい。
何を変えたの?」
という程度かもしれませんが、
それも意図的にやっている場合には、
その反応にニンマリですね。
こうして、料理に、
いろんな表情を出すことができるのですよ!