【わかめの入れ方ひとつで、みそ汁とは違うわかめに】

「牛肉とわかめのスープ」で、

料理のなぜ?を考えてみよう。

みなさんの考えた作り方と、

どこが同じで、何が違うか?

料理の作り方は、
正解は一つではないことが多い。

 

ただ、私は、どんな効果を狙って、

そういう調理操作をしているか。

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こんばんは。

 

サイエンスクッキング プロデューサー

木村万紀子です。

今日は、このスープを完成させましょう。

<材料>

牛バラ肉

しょうが

ねぎ

わかめ

白いりごま

 

鶏ガラスープの素

黄金比率の調味料、塩

油、ごま油

 

 

<作り方>

①鍋に油を熱して、

下味をつけた牛バラ肉、

しょうが(細切り)、ねぎ(小口切り)を炒める。

⇒まず、こうやってレシピに書いてあったら

油をしいた鍋に、

何から投入しますか?

 

高温になったところに、

しょうがやねぎを最初に入れると、

それだけでこげやすい。

そこで瞬時にこげてしまわなくても、

牛肉が炒め上がるころには、

こげてしまう可能性が・・・。

IMG_1895.JPG

肉を入れて、こんな色になってから

しょうがとねぎを入れて、

炒めてみてください。

炒めることでいい香りが引き出せます。

②水を入れて沸騰させる。

⇒熱湯ではなく、水から入れることで、

肉のうまみをスープに出すことができます。

⇒この後は、アクが出てくるので
取ってくださいね。

スープが濁ってしまいます。

 

③鶏ガラスープの素、黄金比率の調味料、塩
で味つけし、しばらく煮る。

⇒黄金比率の調味料には、

酒が入っています。

酒のアルコールで、肉のくさみを取ることができます。

 

④その間に、フライパンにごま油を熱して、
わかめ、白ねぎ(小口切り)をさっと炒める。

仕上げに、このわかめ、白ごまを入れる。

IMG_1900.JPG

⇒ここが、みなさんと私で

もしかすると

考え方が違う部分かもしれません。

わかめをみそ汁みたいに、
そのまま入れて煮込むと考えませんでしたか。

それでも、おいしいのですし、

そのように作るスープもありますが、

牛肉とわかめのスープでは、

ごま油で炒めて、油のベールをまとった

わかめにすると、

コクとうまみがプラスできる。

しかも、わかめの海藻くささが出にくいのです。

新物のわかめを、さっと炒めて

仕上げに入れることによって、

わかめのシャキシャキと歯ごたえも

楽しめます。

わかめをやわらかくズルズルにしない。

それが狙いです!

⇒牛肉と炒めたねぎは、

香味野菜としての香り出しのため。

こちらは、具としてのねぎです。

最初のねぎはクタクタになっているので、

こちらはシャキッと感を残してもいいですね。

 

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ざっとこんな感じです。

わかめをそのまま使うと、

あっさりめに仕上がりますね。

慣れ親しんだわかめスープになるでしょう。

「あれ?いつもと違って、

なんだかおいしい。

何を変えたの?」

という程度かもしれませんが、

それも意図的にやっている場合には、

その反応にニンマリですね。

こうして、料理に、

いろんな表情を出すことができるのですよ!

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