【この味を再現したい!あなたにもできるようになります】
「先生!うどんだしの作り方を教えて下さい」
今年に入って5人の方に相談されました。
その時に私が真っ先に尋ねるのは、
「どこの出身ですか?」ということ。
見事に、生粋の関西人の方!
関西のうどんだしは、
・しょうゆは薄口しょうゆ使用
・淡い澄んだ色をしていて
・少し甘め
・あっさり
他の地方の方が食べられると、
全然違う!と驚かれると思います。
私は、生まれも育ちも札幌です。
大学も調理師学校も関西ですので、
料理は関西で学んでいますが、
うどんだしをおうちで作るときには、
薄口しょうゆをベースにするものの
慣れ親しんだ
濃口しょうゆの味もやっぱり欲しくて、
関西と関東の中間
のような味を作っていたのです。
関西のうどんだしは店で食べると
おいしい味、
と思っていた私が、
生粋の関西人の方たちから、
うどんだしを教えてと!
ご質問した方も、
このメルマガを読んでいるでしょう。
実はね、
自分の感覚をとっぱらって、
「薄口しょうゆだけで、
うどんだしを作りなさい」
というのは、
私の引き出しからすっとは差し出せない、
課題だったのです。
・・・・・・・・・・
サイエンスクッキング プロデューサー
木村万紀子です。
昨日のメルマガを配信後、
次のようなメッセージをすぐにいただきました。
おだしコンシェルジュ
松川 志乃 さん (奈良県)
https://ameblo.jp/shinomamaskitchen/
めんつゆのテーマ、
待っていましたとばかりに、読みました。
関東出身の私が、関西にとついで、
だしについては、気づいたことがたくさんあります。
濃口しょうゆで育ったので、
うどんつゆの味がうまく再現できない
経験もあります。
誰に教えていただくより、
自分で試行錯誤したので、
先生のおっしゃることがよく理解できます。
世に出回っているだし素材の使い道をお伝えし、
ご家庭の味を育てていただきたいと思います。
今後も楽しみにしています。
▲ ▲ ▲
そうなの~!!
関東と関西の麺類のだしって、
全然違う!
中部も、九州もね。
さて、
レストランに会食に行くと、
よく言われること。
「料理の先生だったら、
食べただけで、
何が入っているか
舌で敏感に分析してわかるのですよね?
で、おうちでちゃちゃっと
再現できちゃうのでしょう?」 と・・・。
「そうとも限らないですよ。」
と私が言うと、
みなさん えっ!? と言われます。
私は、天才的な味覚を持った
神のような料理人ではありません。
味の分析の仕方が
人よりもっと論理的なのですよ。
では、 どんなときに再現できるか。
自分にその料理そのものや似ている料理
を作った経験があって、
すでに「味のものさし」
がある場合。
AとBとCをこの配合で
いつも酢豚を作っている。
このお店は私の味と酢が違うとか、
ケチャップの使い方が違うとか
基準があれば、比べられるのです。
みなさんも一緒ですよ。
今日から天才料理人の舌の感覚は 持つことはできないでしょうが、
ものさしを持って料理すれば、
「目指す味」に近づけることは簡単なのです。
私が主宰する 《レシピのいらない料理術》で、
黄金比率の調味料パターンで、
和洋中の料理を教えているのも、
みなさんの中に、
定番料理の「味のものさし」を
作るためなのです。
では、昨日のメルマガでご紹介した
「関西風のうどんだし」の分量。
ものさしになるようにシンプルにしています。
ここから、みなさんが慣れ親しんだ味に
薄口しょうゆの一部を濃口しょうゆに替えたり、
みりんを増減したり、
塩を入れたり、
だしの素材を変えたらいいのです。
な~んにもないゼロの白紙状態から、
味を再現するより、
ずっと簡単なのですよ。
では、どうやって、
自分好みの味に近づけるか。
何を入れたらそうなるのかわからない!
というときのヒントの探し方。
私の今回の味の組み立て方を
お話ししますね。
まず、関西風うどんといえば!
の有名店をリサーチ。
大阪では「道頓堀 今井」という
昭和21年創業のうどん屋さんが有名。
その他にも、
大阪には うどんすきの「美々卯」(みみう)
という 創業250年ほどのお店もあります。
そこに食べに行く
いえいえ、そんなことはしません。
なぜか?
今井に行ったら、
きつねうどん、あなごうどん、〇〇うどん
おいしい具がのっています。
(道頓堀 今井 のHPより引用)
一番シンプルなきつねうどんを注文しても、
ふっくら甘じょっぱく煮含められた
油揚げをかんだ瞬間
じゅわ~ とその汁が出て、
だしの味がわからなくなりますよね。
具なしのかけうどんを
今井で注文することはできません!
もっと、みなさんのヒントにもなる
「理論」でおいしくする
いい方法があります。
私のとった行動とは?
次回のメルマガに続きます。