【料理で身につく段取り力!子供は?大人は?】
台所で夕食の支度をしていると、
「お母さん、お料理手伝ってあげる」
「私(僕)もお料理がしたい」と
子どもに言われたことはありませんか?
そんな時、あなたの心境は?
私も小学生の子を持つ親なのでよくわかります。
「お母さん、忙しいから、また今度ね」
「子どもは危ないから手伝わなくていい」
そう言って、
子どもを台所から遠ざけていませんか?
でも、
「子どもが料理をする」ということに、
勉強や習い事では簡単には得られない、
脳への刺激や心の育ちがあるとしたら?
しかも、
子どものやりたい気持ちが満たされて、
その効果を高める、
料理の取り組み方があるとしたら?
子どもの料理がしたい気持ちを、
後押ししたくなりますよね。
今回は、その効果と秘訣をご紹介
したいと思います。
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こんにちは。
サイエンスクッキング プロデューサー
木村万紀子です。
私は、子供が0歳のときに
故 坂本廣子先生の食育の講演会に行き、
そんなに小さい子から料理ができるの?
と衝撃を受けました。
講演後に楽屋に押しかけて、
ぜひ先生のもとで働かせてくださいとお願いして、
キッズキッチン協会の
インストラクターの資格を取り、
先生のスタジオで働かせてもらっていた時期があります。
それから10年、
私は「レシピのいらない料理術」だけではなく、
食育の仕事もライフワークのようにずっとしています。
その活動を通して感じてきたことを、
夏休み企画として、
みなさんにご紹介したいと思います。
私は子育てしていないから・・・という方も、
大人にも同じことが当てはまったりするのですよ♪
<子どもが料理をする効果>
1.五感を刺激することで、脳が活性化する。
料理は五感を働かせて作り、
五感で味わうもの。
包丁で切る、ピーラーでむく、
混ぜる、丸める、絞る、すりばちでするなどの、
さまざまな道具を使って、
5本の指を器用に動かす作業が、
料理を作るたった数十分の中に、
ぎゅっと凝縮されています。
それに加えて、料理には、
ジュー、パチパチ、トントンなど、
動作に連動して生きた音を感じることができます。
料理のできあがりを考えながら作業することで、
感性や創造力も養われますし、
料理の盛り付けは立体ととらえると
空間認知力も高められます。
これらはすべて、
大脳の前頭前野や前頭極などを活性化させます。
2.技を盗むように、真似をする力。
まずは、
お母さんが見本を見せてあげてください。
じっと見つめてすべてを頭に入れ、
自分も同じようにするために見当をつけながら、
切る幅や力加減を調節するなどして
作業することになります。
この真似をして、
再現して体得していくというのも、
脳への刺激となります。
3.段取りを考え、目的を持って自ら動ける。
料理数品が効率よく作れるように、
段取りを立てることで、
今何をすべきかの判断ができるようになります。
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子供を台所に立たせる効果は、今日はここまで。
4以降の話は、明日につづきます。
この「段取り」というところで、
ドキッとしませんでしたか?
私って、超段取りよく、毎日料理しています!
なんて、胸を張って言える人って、
ほとんどいないと思います。
ここからは、私たち
大人の料理の話になります。
料理の個別相談でよく聞かれるのがコレ。
「どうしたら段取りよく、
短時間で料理ができるようになりますか?」
みんな、そうしたいですよね。
料理が好きな私でさえ、そう思います。
これはね、まず、
ネット検索したレシピを
目で追いながら
料理していると
段取りよくなんて
できなくて当たり前です。
スマホで検索して料理するのは、
まさに、車のナビと一緒。
ナビがない時代は、
出発する前に地図をよく見て、
〇〇交差点から1つ目の信号を右折、
2本目の道を左折だな。
とか頭に入れて、
車を走らせていましたよね。
次にまた来たときに、
この風景を覚えておこうと
脳にコピーしています。
本来の料理の仕方も、
これだと思うのです。
「煮物」ってそもそも
どういう作り方だっていう
流れがわかっている。
わかった上で始めるから、
どこで時間があくかもわかる。
その間に、味噌汁の具を切って・・・
とか考えられるのは普通でしょう?
無意識のうちに、
煮物ができるまでの
20分間の時間の使い方を
はじめから把握できた上で
料理を始められるのですよね。
レシピ検索のナビを見て作るようになると、
仕事帰りの電車の中で、
夕飯を何にしようと検索して、
これにしようと出逢ったばかりのレシピ。
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- _________
と上から順に、目で追いながら、
スクロールしながらその通りにやるだけ。
次に作るときには、
またネットで見ればいいのだから、
覚えることすらムダな作業に思えてしまう・・・。
1年365日料理を頑張って作って、
同じ労力をかけているのに、
自分の蓄積となっていかないのですよ。
(覚える必要がないだけに・・・)
煮物はこうやって作るものという
「理論」(私がいう「黄金パターン」ですね)
または「持論」でもいいです
これが、自分の中で確立されていると、
料理全体の流れが
はじめる前から見えているのです。
そこが段取りよくできるかの
違いの1つかなと思います。
私が子供に教えるときと
分けて考えているのは
そこですね。
子供に伝えたい事!
同世代に伝えたい事!
想いがいっぱいです。
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昨日は東京で
「レシピのいらない料理術」の
マスター講座~中華編 でした。
和食は作れても、
中華料理をおうちでレストランみたいに作るなんて
ちょっと未知でしょ?
本当にできるの?と思いませんか?
「理論」をもとに進めれば、
・肉の下味のつけ方の法則
・炒め方の法則
・にんにくの使い方の法則
など、作り始める前に、
法則がすべてわかっているから、
「どうやって作ればいいか」の段取りが
見通せるのです。
同じ法則で、何十という中華料理が作れるのです。
料理って、そんな難しいものではないのですよ。
知ればあなたにもできます。
私がもう一つ言いたいのは、
「私って段取りが悪い・・・」
と自分を否定しないでねということ。
毎日台所で一人で料理していると、
そういうサイクルに入っていってしまうのを知ってるから。
次回はそんな話もできるかなと思います。