【肉は煮込むとかたくなる?いえ、違います】

先週<レシピのいらない料理術®>では、

節分前に、講座生対象に
「巻きずしを作ろう」Zoomを開催。

かんぴょうやしいたけの伝統的巻きずしから、
海鮮巻き、
牛肉巻き、韓国風キンパ

好きなモノを作ってみよう!と。

今年一番人気だったのは、

牛肉の甘辛煮の巻きずしでした。

巻きずし2022生徒3.jpg

さて、牛肉巻きを作ってくれた
アキさんが、

「安いお肉で作りましたが、
しっかり煮込んで美味しくなりました。

肉は煮込むと硬くなるイメージがありましたが、
一概にそういう訳ではないのですね〜。

無言で食べようと言ってるのに
「うんまっ」の連発聞こえてましたっ」
と(^^)

(きゃ~っ、うれしいデス)

ここで・・・

牛肉で

『肉は煮込むと硬くなると思っていた』

『安い肉は火を通すと硬くなってしまっても仕方ない』

 
みなさんも同じように感じていませんか?

巻きずし2022生徒1.jpg

アキさんもそのイメージでしたが

『教わった通り、しっかり煮込むと、硬かった肉がやわらかくなった!』と。

では、なぜ

煮ると一旦は硬くなった肉が

やわらかくなるのでしょうか?

硬くなる原因は、
肉の中のコラーゲンです。

コラーゲンといえば、化粧品でなんだかプルプルなイメージがあるかもしれませんが、

いえいえ、
肉がかたくなる主犯格の「硬タンパク質」です。

つな引きのつなみたいに、
3本鎖がからんだ構造になっていて、頑丈。

肉を加熱すると、熱によって、さらにギューッと縮み、短くなります。

すると、コラーゲン自体が縮んで硬くなるだけでなく、

それに引っ張られるように、周りの身もギューッと縮みますから、
肉質全体も硬くなります。

それで、肉が締まって硬くなるのですね。

『煮続けると、肉がやわらかくなったのは?』

コラーゲンは、加熱が続けられると、
3本の鎖をつなぐ部分が、熱によって切れてくるのです。

すると、コラーゲンはほどけてきます。

そして、さらなる加熱でバラバラになります。

そうなったものが、みなさんがよく知る
「ゼラチン質」というもの。

これこそ、とろ~っとするイメージでしょう?

アキさんは、
肉を長く煮込むことで、

「コラーゲン」を「ゼラチン化」することに、成功したのです!

加熱を短時間でやめてしまうと、硬いコラーゲンのまま。
それでは、もったいないですよ。

安い牛肉だって、加熱に時間をかけてやれば、やわらかくなるのです。

ちなみに、みなさんがゼリーを作る時に使う、粉ゼラチンも、
こうして、コラーゲンから抽出されたものなのですよ。

料理は科学ですね(^_-)-☆

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