【肉は煮込むとかたくなる?いえ、違います】
先週<レシピのいらない料理術®>では、
節分前に、講座生対象に
「巻きずしを作ろう」Zoomを開催。
かんぴょうやしいたけの伝統的巻きずしから、
海鮮巻き、
牛肉巻き、韓国風キンパ
好きなモノを作ってみよう!と。
今年一番人気だったのは、
牛肉の甘辛煮の巻きずしでした。
さて、牛肉巻きを作ってくれた
アキさんが、
「安いお肉で作りましたが、
しっかり煮込んで美味しくなりました。
肉は煮込むと硬くなるイメージがありましたが、
一概にそういう訳ではないのですね〜。
無言で食べようと言ってるのに
「うんまっ」の連発聞こえてましたっ」と(^^)
(きゃ~っ、うれしいデス)
ここで・・・
牛肉で
『肉は煮込むと硬くなると思っていた』
『安い肉は火を通すと硬くなってしまっても仕方ない』
みなさんも同じように感じていませんか?
アキさんもそのイメージでしたが
『教わった通り、しっかり煮込むと、硬かった肉がやわらかくなった!』と。
では、なぜ
煮ると一旦は硬くなった肉が
やわらかくなるのでしょうか?
硬くなる原因は、
肉の中のコラーゲンです。
コラーゲンといえば、化粧品でなんだかプルプルなイメージがあるかもしれませんが、
いえいえ、
肉がかたくなる主犯格の「硬タンパク質」です。
つな引きのつなみたいに、
3本鎖がからんだ構造になっていて、頑丈。
肉を加熱すると、熱によって、さらにギューッと縮み、短くなります。
すると、コラーゲン自体が縮んで硬くなるだけでなく、
それに引っ張られるように、周りの身もギューッと縮みますから、
肉質全体も硬くなります。
それで、肉が締まって硬くなるのですね。
『煮続けると、肉がやわらかくなったのは?』
コラーゲンは、加熱が続けられると、
3本の鎖をつなぐ部分が、熱によって切れてくるのです。
すると、コラーゲンはほどけてきます。
そして、さらなる加熱でバラバラになります。
そうなったものが、みなさんがよく知る
「ゼラチン質」というもの。
これこそ、とろ~っとするイメージでしょう?
アキさんは、
肉を長く煮込むことで、
「コラーゲン」を「ゼラチン化」することに、成功したのです!
加熱を短時間でやめてしまうと、硬いコラーゲンのまま。
それでは、もったいないですよ。
安い牛肉だって、加熱に時間をかけてやれば、やわらかくなるのです。
ちなみに、みなさんがゼリーを作る時に使う、粉ゼラチンも、
こうして、コラーゲンから抽出されたものなのですよ。
料理は科学ですね(^_-)-☆
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