【ゆでるVS電子レンジ加熱】
こんばんは。
サイエンスクッキング プロデューサー
木村万紀子です。
一昨日は、《レシピのいらない料理術》の体験講座でした。
まず、みなさんに、今日はどんな悩みや疑問があるかを書いていただきます。
それをその日の内容に盛り込んで、お答えしながら進めていきます。
質問の一つに
「ゆでるのと、電子レンジ加熱では、どのように違うのですか?」
というものがありました。
みなさんも疑問に感じたことがありますか?
ゆでるのを、電子レンジ加熱で手軽に!
という時短、簡単が流行りだしてから、
もう何十年にもなりますよね。
しかしながら、
ゆでたものと、
電子レンジ加熱したものでは、
出来上がりの食感や味わいが、
全然違いますよ。
特にいもはてきめん。
じゃがいもは電子レンジで加熱すると、
中心の水分が抜けてカスカスというか、
ぐんにゃりというか、
ホクホクとは程遠い状態にできあがるのですよねぇ。
一昨日の講座では、ここで
「わかる~!」
「なったことがある~」とみなさん。
じゃがいもをゆでた時には、
熱湯の熱を、じゃがいも表面から中心へ熱伝導で伝えていきます。
では、電子レンジでは?
装置で発生させたマイクロ波が、食品に当てて温める仕組みです。
なぜ、温まるのか?
食品に当たると、食品内の水分子がマイクロ波を吸収します。
水分子はそのエネルギーを得て、
ブルブルと振動します。
すると、隣り合う水分子が
それぞれ振動することで、
摩擦が起こります。
その摩擦熱で、食品自体が発熱するという仕組みです。
マイクロ波は食品から6~7センチの深さまで入り込みます。
先のじゃがいもですが、
丸ごとで加熱すると、
表面から放射状にじゃがいもに入ってきたマイクロ波が、
中心部で最も重なり合うのです。
(ここは会って、図で書いて見せながら話さないとわかりにくいかもしれませんね~)
だから、外側に火が通るころには、
もう中心部では摩擦熱が過剰なほどに起こっていて
火が通り過ぎているのです。
もし、電子レンジでもゆでるのと
同じように加熱できていると思っているのでしたら、
それは違います。
ブロッコリーでもにんじんでも
ぐんにゃりしていて、
歯ごたえが感じられません。
おいしくないのです。
これに限ったことではなく、
道具は、使いようですね。
私も使いますよ、電子レンジ。
これがなくなると、不便です。
でも、食感に影響しないことで使うようにしています。
どうしてもゆでる代用として使いたいのであれば、
切り方を変えると少しはましになります。
その話は長くなるので、またいつか♪